あいびき5完
帰省ラッシュに
お盆の前に抜け出して、なんでまた湯沢。豪雨と雷、
雷や雨にしの降る我が行くさ疚しくもあるか道の瀬にして
宿れるは子らとともにかバイキング朝な夕なを湯沢は夏の
秋山郷から志賀高原へ、かみきりむしを採集している人。問うほうも答える方もぶっきらぼう。
彩りに長けたるものを虫取りのなんにおのれが言問ひ知らず
ゴルフ場のレストランに昼食。
初秋のあさぎまだらを美はしやワインとパンと微睡みにつつに
妙高高原まで運転を任せ、ホテルの人が覚えている、危うくニアミス、うちへ電話したら留守だったとか、オーディオルームでショルティの魔笛をかけ、CDが不調、ジュースでもかかったか。
鳥刺しのアリアを歌ひ妹と我といずく宿らむ初秋の日や
帰らなけりゃならんだけどといって、戸隠からまた鬼無里へ、子連れの猿の一群。
これはまた猿の群れあふ戸隠のいにしへの如く山なみ青し
小川村の天文台は夏草の中、問へるものなし。味大豆という村と、やきもち屋という家と。
迷ひ込み味大豆なるしなの路の山の中なむ奥の細道
吾妹子が何を云はむやはろけくも百枚田んぼをやきもちの家
それから安曇野へ抜けて、掛け湯温泉へ、掛け湯温泉病院は母が入院していた。沓掛温泉は山奥、くつかけ時次郎は、小説の主人公なのだそうだ。六十三曲がりの道を。
沓掛の時次郎とふ伝へ聞き山たず行けば六十三曲がり
そは母がつひの病に宿れりし掛け湯の村ぞ秋立ちにけり
お盆であった、十四キロの渋滞で三時間半、事故の遠回りで二時間半、なんていうまあえらい時に、
お盆には一つ余計の泊まり賃間抜け坊主が世の中を知る
鳴子の宿
フライフィッシングの道具を岩船まで取りに行って、それから北海道へわたろう、本州は虻がいて釣りは無理かも、なんで岩船かって、作って貰わないとさカディス針。朝日村道の駅のおもちゃ館を見る、
見しものは朝日村なむ姫達磨江戸のむかしをのーんと笑ひ
勝木村の弟子が岩がきを五つ、
山北の弟子がよこせし岩がきや妹は食はずて二つ腐れし
新日本海フェリーの夜の便はお休み、では秋田へ行くか、温海温泉に泊まる。五時すれすれ、とっつきの宿を取って、弟子もお相伴に一泊。
蔦屋なるいにしへ知るや酒もよし何を食らはむ湯舟を一人
宿にケイタイを忘れて、酒田へ行って山居倉庫見学から戻る、鶴岡から寒河江に向かって、またぐうるり元へ戻る。右へしか回れないんだってさ、左は苦手ってはてね。
行き行くは月の山なむ逆戻り曇り雨降る河は清うし
レストランで昼を食べて、有名なくらげの水族館へ行く、人でごった返し。
二人してくらげの中に吸い込まれ海にはあらじ檻の中なる
鳥海山は霧の中。そこらへんに泊まろうと云って行くと、廃屋長屋のような温泉があった。
おしんには山居倉庫とこれやこれ早稲の田浦を鳥海の山
のみしらみ宿れるいずこわたつみの潮鳴るかや聞こえし宿は
とうとう秋田市へ入った、ホテルを二軒断られて、三軒目が格安の上に、新装なって部屋は広く。うまいものは川端のすずらん通りと聞いて行く。食い倒れ秋田の真骨頂。エチオピア料理はどこ。
美しきスフィンクスなむなつかしき鰐を食はせるかの店はどこ
妹はわしを復活させてもって、むせび泣く、生まれて始めての幸せという、
わが抱くたれにてあらむ歓喜天なんにぞこれは観音さまの
体中喜んで生理が四日も早く来た、あれま。翌日は、夏油温泉とカーナビに入れて、秋田街道をひた走り、
我が行くさ村から村へみちのくの早稲の田浦を雨降りながら
北上川に出会うのは初めて、美しい山並みをゆったりと大河、夢のようなと、車を下りたら虻の大来襲。とっても釣りどころではなく。
魚を釣るいとまもあらで行く秋の川を辿りて夢の如くに
夏油温泉
みちのくのなほなほ深み山はぜやなんに賑はふ夏油の湯
早く着きすぎた、一時まで待つのは億劫だし、なんだかごみごみ、引き上げて山を出て行く。高すぎる米坂牛を食べてさ、奮発しすぎた。ワインを飲んで、それから中尊寺詣で。そのまあ賑やかなことは、参詣の人でごったがえす
国宝の幔の一つを貸し出して我が見まく欲り屋形のなりの
鳴子温泉
夕暮れて辿りも行くはみちのくの鳴子と聞こへこけしの里へ
鳴子というのは、こけしの首を入れる時に音が出るからだってさ、ふーん。
国道47号線は芭焦の道だった、中尊寺からずっとさ、尿ケ関とかあってさ、最上川沿いに行く、しっとりと山深い奥の細道。戦に明け暮れた最上一族の里を、
最上なるなんにたとえむ秋になる水を豊けしその水をはや


最近のコメント