あいびき

2007年9月13日 (木)

あいびき5完

 帰省ラッシュに

 お盆の前に抜け出して、なんでまた湯沢。豪雨と雷、
雷や雨にしの降る我が行くさ疚しくもあるか道の瀬にして
宿れるは子らとともにかバイキング朝な夕なを湯沢は夏の
 秋山郷から志賀高原へ、かみきりむしを採集している人。問うほうも答える方もぶっきらぼう。
彩りに長けたるものを虫取りのなんにおのれが言問ひ知らず
 ゴルフ場のレストランに昼食。
初秋のあさぎまだらを美はしやワインとパンと微睡みにつつに
 妙高高原まで運転を任せ、ホテルの人が覚えている、危うくニアミス、うちへ電話したら留守だったとか、オーディオルームでショルティの魔笛をかけ、CDが不調、ジュースでもかかったか。
鳥刺しのアリアを歌ひ妹と我といずく宿らむ初秋の日や
 帰らなけりゃならんだけどといって、戸隠からまた鬼無里へ、子連れの猿の一群。
これはまた猿の群れあふ戸隠のいにしへの如く山なみ青し
 小川村の天文台は夏草の中、問へるものなし。味大豆という村と、やきもち屋という家と。
迷ひ込み味大豆なるしなの路の山の中なむ奥の細道
吾妹子が何を云はむやはろけくも百枚田んぼをやきもちの家
 それから安曇野へ抜けて、掛け湯温泉へ、掛け湯温泉病院は母が入院していた。沓掛温泉は山奥、くつかけ時次郎は、小説の主人公なのだそうだ。六十三曲がりの道を。
沓掛の時次郎とふ伝へ聞き山たず行けば六十三曲がり
そは母がつひの病に宿れりし掛け湯の村ぞ秋立ちにけり
 お盆であった、十四キロの渋滞で三時間半、事故の遠回りで二時間半、なんていうまあえらい時に、
お盆には一つ余計の泊まり賃間抜け坊主が世の中を知る

 鳴子の宿

フライフィッシングの道具を岩船まで取りに行って、それから北海道へわたろう、本州は虻がいて釣りは無理かも、なんで岩船かって、作って貰わないとさカディス針。朝日村道の駅のおもちゃ館を見る、
見しものは朝日村なむ姫達磨江戸のむかしをのーんと笑ひ
 勝木村の弟子が岩がきを五つ、
山北の弟子がよこせし岩がきや妹は食はずて二つ腐れし
 新日本海フェリーの夜の便はお休み、では秋田へ行くか、温海温泉に泊まる。五時すれすれ、とっつきの宿を取って、弟子もお相伴に一泊。
蔦屋なるいにしへ知るや酒もよし何を食らはむ湯舟を一人
 宿にケイタイを忘れて、酒田へ行って山居倉庫見学から戻る、鶴岡から寒河江に向かって、またぐうるり元へ戻る。右へしか回れないんだってさ、左は苦手ってはてね。
行き行くは月の山なむ逆戻り曇り雨降る河は清うし
 レストランで昼を食べて、有名なくらげの水族館へ行く、人でごった返し。
二人してくらげの中に吸い込まれ海にはあらじ檻の中なる
 鳥海山は霧の中。そこらへんに泊まろうと云って行くと、廃屋長屋のような温泉があった。
おしんには山居倉庫とこれやこれ早稲の田浦を鳥海の山
のみしらみ宿れるいずこわたつみの潮鳴るかや聞こえし宿は
 とうとう秋田市へ入った、ホテルを二軒断られて、三軒目が格安の上に、新装なって部屋は広く。うまいものは川端のすずらん通りと聞いて行く。食い倒れ秋田の真骨頂。エチオピア料理はどこ。
美しきスフィンクスなむなつかしき鰐を食はせるかの店はどこ
 妹はわしを復活させてもって、むせび泣く、生まれて始めての幸せという、
わが抱くたれにてあらむ歓喜天なんにぞこれは観音さまの
 体中喜んで生理が四日も早く来た、あれま。翌日は、夏油温泉とカーナビに入れて、秋田街道をひた走り、
我が行くさ村から村へみちのくの早稲の田浦を雨降りながら
 北上川に出会うのは初めて、美しい山並みをゆったりと大河、夢のようなと、車を下りたら虻の大来襲。とっても釣りどころではなく。
魚を釣るいとまもあらで行く秋の川を辿りて夢の如くに
 夏油温泉
みちのくのなほなほ深み山はぜやなんに賑はふ夏油の湯
 早く着きすぎた、一時まで待つのは億劫だし、なんだかごみごみ、引き上げて山を出て行く。高すぎる米坂牛を食べてさ、奮発しすぎた。ワインを飲んで、それから中尊寺詣で。そのまあ賑やかなことは、参詣の人でごったがえす
国宝の幔の一つを貸し出して我が見まく欲り屋形のなりの
 鳴子温泉
夕暮れて辿りも行くはみちのくの鳴子と聞こへこけしの里へ
 鳴子というのは、こけしの首を入れる時に音が出るからだってさ、ふーん。
 国道47号線は芭焦の道だった、中尊寺からずっとさ、尿ケ関とかあってさ、最上川沿いに行く、しっとりと山深い奥の細道。戦に明け暮れた最上一族の里を、
最上なるなんにたとえむ秋になる水を豊けしその水をはや

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あいびき4

  松之山

 直江津からどこへ行こうって、松之山へ行ってみよう、わしのドライブコースだが、
田を植えてひよどり鳴くか吾妹子が松之山なむ夏霧らひせる
 大正時代の木造三階建て、松之山温泉凌雲閣はなを健在で、
地震にも雪にもこれや耐え耐えて七十二年雲を凌ぐと
 山中にいいドライブコースがあって、霧の中を行き、じきに帰って来るつもりが、国道117号線へ出てえらいこった、晩飯の六時には間に合ったが大遠足。
しかすがに霧らひこもして松之山大巌寺なむ牛の行く見ゆ
紫陽花は賑はひすれど山の井のしもつけ花ぞ妹にしあらむ
 翌日は信州へ入ると千曲川
千曲川しだれ桜も夏なれや辿りも行かむ白雲浮かぶ
 そうさ、善光寺へ行こう、中学は門前を過ぎて通うわしが思い出の地、うわいっぱいよったくって善光寺参り。
もうでむは牛に引かれて仁王門むかしも今も何変はらずや
 マッカーサー指令であったか、病気が傳るから触れるなと書いてあった、おびんずるさま。
マッカーサー今もむかしも信心のおびんずるさま空ろ顔寄せ
 パチンコで鳩を撃ったり、
門前に鳩をうつなむ中学の半世紀をへて夢に見るかや

 そうさなあ、わしみたいな年寄りをなんで、もったいなやの女菩薩、
清やけしは愛し乙女が心映え老ひいて我れはうつし世わたる
井の辺もしもつけ花し吾妹子が松之山なむ霧らひも隠もせ
妹と寝ね若楓でのみずみずし紅葉ずるまでの秋を迎へね

 鬼無里から白馬へ抜ける道、
妹が子と幸きくもあらば吹く風の早苗を渡り白馬へ行く
 笹倉温泉
再びも汝と宿る笹倉のさ霧らひ行けば山をしも見ず
 釣り竿を買って二人できすを釣る。
筒石にきすを釣るらむいくつまた別れを惜しみ直江津へ行く
 一人帰る、一瞬居眠りして反対車線へ、大型トラックとワゴン車とセダンが背後に停まる、救ってくれたんだ命を。
人の世の大欠伸して青葉辺やすんでに死ぬる夢のまた夢
なんと云ふぞ帰り来たりて思ひがて夏の憂き夜を半月かかる

 金沢で会うはずが

 今度は金沢で会おう、当分車に乗るなってさ、電車で行こう、北越二号が八時半発、十一時半に着くと云っていたら地震になった。ひどい揺れで中越地震のぶりかえしか。どうにか持ちこたえてほっとしたら、柏崎がたいへん。町は壊滅状態だ、高速道路も電車も通らん。電車は復旧の見込みが立たない、そりゃわしが居眠り運転したあたりだ、ひどい土砂崩れ。
海よりは押し寄せ来たる大揺れの柏崎なむ人知りぬべき
我が命救はれたるになんにこれ柏崎なむ行くには行かじ
 能登の地震とこれで三度めだ、さんざくただあ、こうなったらてめえさえよけりゃという気になって、えいやってらんねえや。
免れていずこへ行かむ吾妹子と兼六園に氷いちごを

 湯沢で会えないかといって、七日後に逢い引き、
仰ぎ見し春は空ろのゴンドラの揺られも行けば空中庭園
 アルプの里という高山植物園、
おだまきやにっこうきすげ赤とんぼみやまからすが揚羽に舞へる
 何十年ぶりでおおむらさきを見る、
夏なれば湯沢も国のまほろばのおほむらさの過ぎるを見しし
 高速道路の退屈に、ふいとおのれ失う恐怖、ふーんもしやして目を開いたまま眠るという、いいの、あたしが運転するってはあて。魚沼スカイラインが前の地震から復旧して、それがすばらしい景観、天にかかる大瀑布のような霧、
大千の夏はもこれのさ霧らふは流転三界そは魚沼の
笠取りの雨はしの降りほととぎす二声鳴きて妹が聞かむには
 八石山ステーキは一度食べにきて定休日だった、牧場で経営する、おいしい、山菜のつけあわせもおいしい。
八石の山を仰がむステーキの香ばししかも群れあふ蝶ぞ
 どこへ行こう、妙高へ行こうといって、地震の柏崎をさけ、綾子舞いの鵜川の辺りもあぶない、いや妙高そのものがといって、松之山へまた行く。
湯も熱き揉み板もあり松之山妹と寝ねやる小夜更けにけり
 山深く行けば鷲が、
鷲なれやいつかこの世の見納めぞ何に楽しむ二人して我が

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あいびき3

  浅間

 北口だと云ったのに、南口で待っている、印象が強かったんだってさ、二度の別れを。
なんにまた北と南にあひ別れ雨に土鳩の鳴くさへ悲し
 忍び逢いだから始めての処がいい、では名前だけ知っている湯田中へ、
湯田中は父のつかれる温泉なれ時へて我れも妹とし問ふれ
 むきたまごからびーたんに発酵してだってさ
雨降るに葵咲くらむ夏なれや寝ねやる妹のあえぎ幽けく
 浅間山へ行こうといって、浅間園というのへカーナビ入れたら、とんでもない処へつれて行く、松本市郊外のりんご畑に、看板が一枚立つ、きえーやられた。
松本の舞へるは鳶か我が欲りすひったくさった浅間の煙
 仕方がない、では長久保から佐久へと中仙道を行く、ここはかつてわしが故郷であった、出てより何十年、恐れ多くもさ、本陣に宿を借り。
しくしくに我れも出なむこの宿や笠取峠の松を幽けく
 小諸の懐古園に草笛を聞く。
草笛にいやなつかしき古城や伽藍堂なるレストランに寄り
 はないかだが白く咲いて、
花筏越しの真人が雲井にもうそぶき行かめつれ添ふは誰そ
 高峰温泉という処へ行く、標高二千米。
吾妹子は何を悲しび小諸なる町を廻らひ山の方へ行く
高峰の温泉籠もらひしましくは妹らがりせむ鳴けや鶯
 小鳥の餌場があって、ひっきりなしにやって来る、りすも烏も。
赤げらのつがひに会ふて日は暮れて幾人してや高峰の宿
 そう云えば途中にかもしかがいた、
浅間なる火を吹くいずこ高峰の黒斑の山をかもしかの行く
 鶯の縄張り争いに参入。
鶯のうつろ鳴きせむみちのくや大空深く花に花咲く
たまゆらの湯舟にひたり吾妹子や過ぎにしことは忘れて思へや
一輪の花なれやかも愛でし我が初々しくに甦りつつ

 草津温泉へ一泊おまけ
花筏しのび廻らへこれの湯や地獄の釜も蓋を開くとふ
我れをまたなんに涙の湯揉み歌江戸のむかしを心映えせむ
しのびあへ鳴くは鶯草津の湯むかしを今に濁りあへせむ

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あいびき2

  安曇野
 mixyの仲間と別れて安曇野へ行く、姫川に一泊、
宿仮るは春ののげしの咲く野辺の乱れし妹は浴衣のみして
 フォッサマグナを行く、雪の越後路はトンネルを抜けて、
長々しトンネルを抜け信濃路やあいさつせむははだれ白馬
 花の喫茶店があったのに、お休み、
田の末にこれや記さむ花の店安曇野にして去り行く惜しも
 碌山記念館に高村知恵子の絵葉書があった、
悲しとふわれも記さむ安曇野や高村知恵子の切り絵に求め

  鬼無里
 まだ通ったことのない道を行こう、山を越えて戸隠のこれは裏っかわ。
山吹も咲きしくあらむ春うらら小川村には天文台が
 鬼無里は山里、やまざくらの花吹雪を行く、妹らがり花吹雪して七曲がり八つ曲がりせむ鬼無里の村は
 戸隠山の背には北アルプス。
戸隠の神なび深く仰がむはつぎねふ雪のアルプスにして
 学生のころ中社に泊まって、
戸隠の中社といはむもうでむは名物そばを何十年
 ぶなの林の新緑、
黒姫が面隠みすらむしくしくの新芽吹かへるぶなの林を
妹と我がいくつ寝ねやる雪は消え赤倉ならめつつじ花咲く
直江津に別れを悲し年老ひて忍びあへせむ行方知らずも

  長久保の宿

 中仙道長久保宿の本陣には、子供が手をつないで七人、十人ほどの五葉松があった。
我が欲りし五葉の松は失せにけれかつかつ残るこは本陣の
 疎開して小学校の五年まで過ごした故郷、
ひさかたの時はうつろひ今をなほ山川深み形せるらく
 真田は母方の実家、
真田なる弓の稽古を我れもまた眺めせしまに庭のさんしゅゆ
松本にしくしく雨のあひ別れ古城ならむ青葉を深み

 女の子二人の誕生祝いに罷り出る、例によって上野駅しのばず口に集合、介護老人をみなして迎えて、
しのばずの蓮すの花はなほ咲かね問へるいくたび極楽とんぼ
 前の日鯉を釣りに行ったら、日に焼けてまっくろけ、
郭公の鳴きわたらへば信濃河鯉はも釣れず日は照りまさる
 でもってみなして、木村屋のあんぱんを買って食いながら銀ぶら。
木村屋のあんぱんを食ひこれはまた何の祭りぞ銀ぶら坊主
 買ってえといってぶら下がると、グッチのバッグ三十万円とか、
買ってえとおねえちゃん二人ぶら下がり銀座を行くか文無し坊主
さてやまた嬉し涙か鼻水ぶら下がったる両腕重し
 日比谷公園はドイツ祭り、ソーセージとビールをぎっちり詰め込んで、
喧噪とビールをあをる夏なれやこはドイツ祭りぞファンファーレ
 酔っ払って膝枕、
すずかけの下なるおのれ膝枕バッハも知らに永劫昼寝
 池袋に熊谷守一美術館を訪ね、
みなとして訪ね当てたる我が欲りし熊谷守一天狗の落とし札
妹が子がアクセサリーに手に入れし一筆書きの守一が猫
 かぶと屋のうなぎを食う、三尾分も食って、きもの串刺しやら、心臓のぴくぴく動くやら、先生さまの奢りみたいだぜこれ、贅沢万歳。
見よや君百戦錬磨の包丁のぴっくり動く心臓をこれ

 池袋のホテルに一泊、
これやこれしのび逢ふ瀬を吾妹子や池袋なむあした明け行く
 駅前には黒い背広のやーさんがどっと押し出し、こりゃぶっ魂消、
池袋ごろつきどもがこれやこれ何にのさばる蒼天蒼天
 湘南ライナーに乗って横浜へ、水上バスで赤煉瓦倉庫の公園へ、
ぼらは跳ねくらげは浮いて浜っ子の交通戦争夏は明け行く
 赤煉瓦は大にぎわい、広場には白つめくさ、ヘリコプターを売っていたり、サンバを踊っていたり。
赤煉瓦いにしへ今を盛んなりサンバを踊りつめ草かおる
 遊園地の向こうに帆船日本丸が、
これやこれやみなと未来の初夏や日本丸とふ順風満帆
 タイ料理店でハッピーバースデイ、二人の名を記すケーキもついてさ、
大乗の坊主と云はむ妹らがりバースデイケーキをナイフで乾杯
 ワシントンホテルは日本で一番人気だってさ、費用はリーゾナブルの上に、これは二十二階百万ドルの夜景付き。
浮かぶには二人を落とせハッピーバースデイ百万ドルの夜景の中に
 赤い靴というバスに乗って、おねえちゃん二人は老人介護のまあさ、港の見える丘公園にはバラが咲いて、
ハイカラは赤い靴とふ我れやまた港の見える丘公園に
 元町は銀座よりもいいんだってさ、電車に乗って鎌倉へ
元町やチョコレートを食ひまっ昼間なんにも買はずていざ鎌倉へ

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あいびき1

  あいびき

   笹倉

 妙高のスキー宿へ行く、女流棋士が滞在していて若しやと思ったら、鍵は開いていて、がらんどうでもって、湯も抜いてある、シーズンが終わって、いっとき休みらしく。
春さらば人の住まはぬ心地して妹をいずこへスキーの宿は
妙高のスキーの宿に湯も抜けて名物シェフのアイスクリームは

 雪が降って来た、もう春たけなわというのに。いったん海へ出て、秘湯の宿という、ちょうど反対側、笹倉温泉へ、なんでそうなるって、ようもわからん。そうしてやっぱり雪が降る。
山廻にか妹とし行けば笹倉のしくしく春のあは雪ぞ降る
恋しとふ海なも行けば笹倉のしくしく春をしのび雪降る
 車はスノーを履いてない、もしや帰れぬかも知れぬと、
笹倉の山をしくしく夜もすがら妹とし寝やる雪は降りしけ
 焼け山もひうちも烏帽子岳も見えなかったが、いちめんの雪を路面だけ溶けて、
晴れ行けばシルバーロードぞ烏帽子岳ひうちの辺りたずさへも行け

 フォッサマグナ館を見学、玉髄かなにか人の手指そっくりの石、
なんといふ妹が手指の玉なれやフォッサマグナの掘りだし物ぞ
 長いキャタピラのあるすべり台に乗ったら、おしりの皮を擦りむいたって、痛くって歩けない。
姫川の辺りに遊ぶ夕べにはすべり台なむ二人幼なび
 水産高校の練習船を見学、
鱈汁を食らひに我れら能生の海の船を見てしがあひ別れなむ
  
   初島
 初島リゾートホテルに部屋を持つ会社につとめる子がいて、一泊一万円で優雅に遊ぶ、七人のmixy仲間でもってさ。
初島の青葉若葉をしくしくに我が思ひまさる荒海にして
 てんなんしょうではなくって、長い花が伸びて、あれはなんていう、そうだうらしまそうと云った、浜辺は大小の岩。
初島のなんに巌が片思ひうらしまそうの花をか黒き
 熱海で女の子四人と家族風呂に入る、うわ冥土の土産と、これやこれなん人畜無害のじっさ、
老ひにしも若かえるでの初々し熱海乙女が潮を忘れそ
 海は荒れ、わしは帰りの切符をぶっとばし、潮に濡れたほっぺたはほろ苦く、
乙女らがしましく舟の行き返りしぶきに濡れて初恋の味
   
   湯沢
 岩手から帰るのを、越後湯沢で待ち合わせ。点検の為の空っぽのゴンドラがぶら下がる、折しも花は満開の、
ゴンドラを空しく見上げ宿れるに残んの花の今盛んなり
 老人どもの団体客が一組、
芽吹きあへ湯沢の宿に一人我が浸りて思へば妹も一人ぞ
霧らひ行く湯沢にしてや花に花夜もすがらせむ妹を悲しも
客もまた集ひいよらむシャンデリア二人をのみに朝げしつらむ

 越後一の寺という雲洞庵を尋ねる、
かつて知る大修行なる雲洞の荘厳せむは芽吹きあへたる
禅堂の畳はくされいたずらに人のよるさへ新芽吹かへる

  妙高
 もう一度妙高高原へ、
去り行くは湯沢の花をいや遠のみずばせふなむ池の平らへ
 新しい宿があった、芽吹く白樺の林に、
新室は霧らひこもして白樺のこは唐松の芽吹きあへたる
 贅沢なオーディオルームがあった、持参のフィガロの結婚を聞く。
忍びあひ宿れるものをモーツアルト浮かれ惚けて膝枕せむ
 いもり池
いもり池みずばせふなむかそけしや忍びあへせむ妙高の峰
水辺なし美はしものぞかくのごとく満山芽吹く鶯の鳴く
 別れはまた、
うしを寄せけだしも別れ直江津の悲しくもあるか春の雨降る

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