春の歌

2007年7月31日 (火)

春の歌2

   初島
 初島のリゾートホテルに部屋を持つ会社につとめる子がいて、一泊一万円で優雅に遊ぶ、総勢七人のmixi仲間、
花は失せ若葉青葉をしくしくの初島ならむ我が恋まさる
 てんなんしょうではなくって、長い花が伸びて、あれはなんていう、そうだうらしまそうと云った、浜辺は大小の岩。
初島の巌の浜の片思ひうらしまそうの花をか黒き
 熱海で女の子四人と家族風呂に入る、うわ冥土の土産と人畜無害のじっさなる、
玉なれや若かえるでの初々し熱海乙女がこれな忘れそ
 海は荒れてわしは帰りの切符をぶっとばし、潮に濡れたほっぺたはほろ苦く、
乙女らがしましく舟の辺ならむしぶきに濡れてこは初恋の味
   
  湯沢
 どうしてももう逢わなくっちゃといって、湯沢で待ち合わせ、ゴンドラの点検、花は満開の、
ゴンドラを空しく見上げ宿れるに残んの花のなほ盛りなり
 それでも老人どもの団体、
芽吹きあへ湯沢の風呂に一人我が浸り思へるに妹も一人ぞ
しかすがに霧らひ明け行く花に花夜もすがらせむ妹が悲しも
客もまた集ひいよらむシャンデリア二人をのみに朝飯しつらむ

 越後一の寺という雲洞庵を尋ねる、
我が知るは大修行なる雲洞の大荘厳なる芽吹きあへせむ
禅堂の畳はくされいたずらに人のよるさへ新芽吹かへる

  妙高
 もう一度妙高高原へ、
花さへや湯沢を遠く雪消えのみずばせふかも池の平らへ行く
 新しい出来立ての宿があった、芽吹く白樺の林に、
我が部屋は霧らひこもして唐松のこは白樺の芽吹かひ行くに
 贅沢なオーディオルームがあった、持参のフィガロの結婚を聞く。
忍びつつ宿れるものをモーツアルト浮かれ惚けてこは膝枕
 いもり池
いもり池みずばせふなむかそけしやしくしく仰ぐ妙高の峰
池の平ら美はしものぞかくのごとく満山芽吹く鶯の鳴く
 別れはまた
うしを寄せけだし別れて直江津の悲しくもあるか春の雨降る

  安曇野
 みんなと別れて安曇野へ行く、姫川に一泊、
宿仮るは春ののげしの咲く野辺の乱れし妹を浴衣のみして
 フォッサマグナを行く、雪の越後路はトンネルを抜けて、
長々しトンネルを抜け信濃路や挨拶せむははだれ白馬
 花の喫茶店があったのに、お休み、
田の末に記さむものは花の店安曇野にして去り行く惜しも
 碌山記念館に高村知恵子の絵葉書があった、悲しとふわれは記さむ安曇野に高村知恵子の切り絵を求め

  鬼無里
 まだ通ったことのない道を行こう、山を越えて戸隠のこれは裏っかわ。
これやこれ山吹咲くか春うらら小川の村には天文台が
 鬼無里は山里、やまざくらの花吹雪を行く、鬼無里には花吹雪して七曲がり八つ曲がりせむ妹らがり行く
 戸隠山の背には北アルプス。
戸隠の神なび深く仰がむはつぎねふ雪の山なみにして
 学生のころ中社に泊まって、
戸隠の中社といはむもうでむは名物そばを何十年
 ぶなの林の新緑、
黒姫が面隠みすらむしくしくに新芽吹かへるその道行きを
妹と我が幾夜寝ねやるここをかも赤倉といふぞつつじ花咲く
直江津の別れを悲し年老ひて忍びあへせむ行方知らずも

  長久保の宿

 長久保の宿の本陣には、子供の手をつないで、七人十人ほどの、五葉の松があった。
我が欲りし五葉の松は失せ行けどかつかつ残るそがただずまひ
 疎開して小学校の五年まで過ごした故郷、
ひさかたの時はうつりて今をなほ山川深み形せるらく
 真田は母方の実家、
真田なる弓場の稽古を人もまた眺めせしまに庭のさんしゅゆ
松本にしくしく雨のあひ別れ古城の青葉をこれはも深み

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2007年7月30日 (月)

春の歌1

   笹倉

 妙高のスキー宿には囲碁の先生がいて、時に抜け出して行く、だからばれないで逢い引きができる、きっとそう思って尋ねたら、
来てみれば人の住まはぬ心地して妹をいずこへスキーの宿は
 鍵は開いていて、がらんどうでもって湯も抜いてある、シーズンが終わって、いっとき休みらしく、
これやこれスキーの家に湯も抜けて名物シェフのアイスクリームは

 雪が降って来た、下界はもう春たけなわというのに、ではどこへ行こう、いったん海へ出て笹倉温泉へ行こうか、秘湯の宿、高速道路を通って、約一時間。
吾妹子と山越え行けば笹倉のしくしく春のあは雪ぞ降る
 そうしてやっぱり雪が降る
わたつみの海なもがてに恋つつは笹倉行かなしのび雪降る
 スノーを履いてない、もしや帰れぬかも知れぬ、
笹倉の山をしくしく夜もすがら妹とい寝やる雪は降りしけ
 焼け山もひうちも烏帽子岳も見えなかったが、いちめんの雪を路面は溶けて、
晴れ行けばシルバーロードぞ烏帽子岳ひうちの辺りたずさへも行け

 フォッサマグナ館を見学、玉髄かなにか人の手指そっくりの石、
玉はこれ妹が手指の如くあれフォッサマグナの掘りだし物ぞ

 長いキャタピラのすべり台に乗ったら、おしりの皮を擦りむいたって、痛くって歩けない。
姫川の辺りに遊ぶ夕べにはすべり台に乗る幼なな二人
 水産高校の練習船を見学、
鱈汁を美はし食らひに能生の海の船を見てしがあひ別れけむ

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