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2011年7月 4日 (月)

良寛詩

我れ此の地に来たってより、将来時を記さず、荒蕪人の払ふ無く、鉢嚢即ち塵に委す。
ここへ来てからというもの、将来のことなんか考えたこともない、そこらじゅう荒れはてたまんまに人為のなすことなし、すなわち鉢嚢、衣食の道具もほこりまみれのまんま。
孤灯空壁を照らし、夜雨間扉にそそ(さんずいに麗)ぐ、万事共に己みぬ、ああ(口干と口差)又何をか期せん。
ただ一つの灯火が空壁、棚もなんにもない壁を照らし、夜雨が戸をたたく、万事共にやむ、すべて終わってるんです、自分やめばものみなやむ、嘆息し てああ何をか期せん、なすべきことすら思い付かぬ、それでどうかというに、取り立てて云うべきこともないんです、春は花夏ほととぎす秋もみじ冬雪ふりて涼 しかりけると、心月輪です、心境とか境涯というものなし、もし師家迷悟中の人のいう良寛あれば、いっぱいにふたがって去来の自由がない、人でなしです。悟 りある人不都合、将来を期す人不具合です、気力横溢もまったく未だ到らず。よくよく看て取って下さい、おんぼろけなげやりの良寛なんてない、立ち居振る舞 い実にきしんとした人でした。孤独の杜撰など微塵もないです、一生不離叢林です。

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