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2011年6月11日 (土)

良寛詩

伊れ昔棲遅の処、孤錫偶たま独り行く、かき(状の犬を薔のくさかんむりなし)はくず(禿に頁)る孤兎の径、井は空し修竹の旁ら。
棲遅のところ、隠棲ですか、むかしだれか浮世を離れて住んだんですか、たまたま錫杖を突いて一人行くと、くずれた垣根は兎の通り道になって、竹が生い伸びて空井戸があった。
蛛は網す読書の窓、塵は埋む坐禅のとこ(状の犬でなく木)、秋草階を没して乱れ、寒きょう(恐の心でなく虫)人に向って鳴く。
読書をした窓辺にはくもの巣が張って、坐禅をした床は塵が埋ずむ、秋草が乱れ生い茂ってきざはしを覆い、こうろぎがさむざむと鳴いて人を迎える。
彷徨去るに忍びず、凄其夕陽に対す。
さまよい歩いて去るにしのびず、凄愴のありさま夕陽に対す。一人坐していた読書人の跡、人知れず朽ち果て。

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