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2011年6月11日 (土)

良寛詩

余が郷に一女有り、ちょう(歯に召)年容姿美なり、東り(竹かんむりに離)の人朝たに約し、西隣の客夕に期す。
おらが郷に一人の女あり、ちょう年七八歳のころからみめうるわしかった、東村の人がいっしょになろうといえば、西村の男もつばをつける。
時有りて伝ふるに言を以てし、時有りておく(貝に台)るに資を以てす、是の如くにして歳霜を経れども、志斉しくして与に移らず。
あるときは言葉をもってし、あるときは物をもってし、そうして何年か過ぎて、いずれ劣らずという。
此れに許せば彼に可からず、彼に従へば此れ又非なり、意を決して深遠に赴き、哀しひ哉徒璽と為りぬ。
東にすりゃ西よからず、西にすりゃ東にそむく、とうとう意を決して深い淵に身を投げて、哀しいかな帰らぬ人となった。
万葉のころからある葛飾の真間の手古奈とそっくり同じことが、良寛の郷にもあった。人間の尊厳地に落ちてしまった今の世とは違う。

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